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2008年2月13日 (水)

ワーキングプア問題と派遣法 その2

  セブン―イレブンが店長に3月から500人を対象に残業代支給に踏み切ったようです。先日の日本マクドナルドの判決が影響したのでしょう。ところで前回のワーキングプア特に日雇い派遣の問題の続きですが、私は民主党法案(日雇い派遣禁止)に賛成です。ではなぜそんなに日雇い派遣を一概にダメだと言うのか?それは、彼らに再挑戦の場が与えられなくなるからだ。日雇い派遣労働者がネットカフェ難民となり落ちていくさまはTVの報道なので周知のとおりなのですが、落ちていった人たちが這い上がってこれない、リベンジが難しい状況に陥ってしまっていることです。それは、今回私自身が失業して初めて気づいたことですが、収入がなければ仕方なくわずかな貯金を取り崩して生活費に充てなければなりません。
  日雇い派遣でピンハネされた安い賃金で貯金が出来ますか?今日泊まるところも確保できない人もいます。「努力をしないからそうなるんだ」と言うお金持ちもいます。でもそんな彼らの一部ではありますが、大学を卒業し希望に満ちた・・・筈の社会人スタートのとき世の中は不況で就職氷河期。それでも親の生活力で養って貰えた時代でしたらよかったのですが、その親もリストラされとてもじゃないがそんな予定外の扶養家族など面倒みきれない・・・。仕方なく地元の安い賃金でアルバイト。でもそんなことではいけないとある日新聞の求人欄に東京の派遣会社が自動車工場の工員募集があり、月収30万円に目が止まり早速面接会へ行き採用となった。行った先ではアパートに2人押し込められプライバシーもなく、おまけに勤務のシフトが違うため、寝ているところに帰ってこられて睡眠不足。病気になって休むと辞めて貰いたいと言われる。やっとの思いで初給料。しかし月収30万円は音をたててガラガラと崩れていく。なぜか?
 寮費は3万円が天引きされ、これまでの1ヶ月分の生活費がなかったためあらかじめ前借りをしていた5万円も天引きされ、残りは?えっなぜこんなに少ないの?30万円は残業40時間込みだったのです。5月などの大型連休がある月はもっと収入が減ります。収入を得るために仕方なく休日に日雇い派遣で稼ぐしかありません。そんなことが数ヶ月続いたのですが生産台数が極端に落ち込み余剰人員が・・・。こんなときは決まって最優先される派遣会社の派遣社員。とうとうリストラされました。

 住むところもなくなったのですが、すぐに田舎に帰ってもどうせ仕事がありません。そこで休日に行っていた日雇い派遣が手っ取り早いので取り敢えずネットカフェやサウナに数日寝泊まりして態勢を立て直そうと思います。ここが大きな間違いなのです。これが落ちて行く典型的な例だと思います。日雇い派遣は手っ取り早いのですが、安定していないのがネックなのです。毎日仕事にありつければよいのですが、週に1日なんてことも少なくない状況だそうです。しかもその会社の従業員がしたくないような作業を低賃金でさせられたり、事故で怪我をしても我慢させられたり(労災となると派遣禁止業務や二重派遣などがバレてしまう虞があるから)するそうです。「これではいかん」と思っても・・・正規雇用を希望しても住所不定、身元保証は何とか「独立行政法人雇用・能力開発機構」が行ってくれますが、そこに通勤する交通費ばかりではなく当面の生活費も全くありません。「やっぱりムリ、諦めるか・・・」そう言って力無く肩を落としてトボトボと夜の街へ消えていきました。

 日雇い派遣の実態はこれに近いのです。経営者は、安価な労働力の派遣社員を使用したくなりますが、メリットはそればかりではありません。正規社員を使用すれば簡単には解雇できないのです。
 企業には社会的責任があると言われていますが、雇用責任も社会的責任の一つではなかったのか?大企業ともなれば50歳くらいで年収6~700万円なんて当たり前でしょう。一般工員ならば派遣社員を使った方が安くすみます。派遣社員は年収約2~300万円貰えれば良い方です。でもこんな大企業にも言い分があります。派遣費用(派遣社員の人件費)は実際には多く払っている筈だと言います。
 でもその中間で派遣会社が利益を得ていることを忘れてはいけません。でもこれは「中間搾取」には当たりません。「適法」なのです。でも実態はピンハネのようなものにしか見えないのです。
 これをお役人たちが難しく定義して分かりづらくして誤魔化しているように見えるのは私だけでしょうか?中小零細企業は、派遣社員に支払う人件費と正規雇用の労働者との賃金格差があまりないのでメリットは、雇用責任の回避くらいでしょう。ですから大企業がどんどん儲けて中小企業は泣かず飛ばずなのですね。格差社会の構図は労働市場の規制緩和も一役買っていたのでした。「努力しても報われない時代」そんな国に誰がした?
 

 今日の紹介する1枚は、ジャズフルートの鬼才ジェレミー・スタイグがジャズピアノの詩人ビル・エバンスとの競演盤であまりにも有名な「ホワッツ・ニュー」です。
 この作品は、ビル・エバンスの名義なのですが、今日はジェレミー・スタイグにスポットライトを当ててみようと思います。ジェレミーは、1942年ニューヨークで生まれたそうなので現在65歳。プロとしてのキャリアの詳細はわかりませんが、1963年にジョン・ハモンドに認められてレコーディングを行いました。

 彼はいわゆるジャズの王道を行く・・・のではなくジャズとロックの中間に位置するような(フュージョンのように融合するのではなく)音楽を目指していたようでした。ただ62年に自動車事故によって顔面の右側が不随になり片耳にも障害を残しているそうですが、彼の活動は音楽だけにはとどまらず、画家としても活躍し最近では子供向けの絵本まで出版するそうです。奥さんは日本人でよく日本に来ているそうです。この作品で知り合いになったのか以前からの付き合いだったのかはわかりませんが、この後ベースのエディ・ゴメス
とは沢山共演しております。多彩な才能は、これまでのその共演者たちを見てみれば納得します。本アルバムのビル・エバンス以外にもサド・ジョーンズ=メル・ルイス、ケニー・バレル、フレディー・ハバード、ロン・カーター、ジミー・マグリフ、ヤン・ハマー、マイク・マイニエリ、ドナルド・マクドナルド、そしてなんとジミ・ヘンドリクスやトミー・ボーリンといったロック系ギタリストまで幅広いのです。彼のフルートは独特のアタッキングスタイルというもので少し尺八に似たような音を奏でます。本作は大型スピーカーを大音量で鳴らしたときには、ジェレミーのツバが飛んできそうなそんな凄い雰囲気をもったアルバムです。
ジェレミー・スタイグの公式サイトです。http://www.jeremysteig.info/

Whats_new What's New / Bill Evans - Jeremy Steig
01. Straight No Chaser
02. Lover Man
03. Autumn Leaves
04. Time Out For Chris
05. Spartacus Love Theme
06. So What

Jeremy Steig (fl)
Bill Evans (p)
Eddie Gomez (b)
Marty Morell (ds)
Recorded at NYC,Jan 30,Feb 3,4,5 and March 11,1969

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